天空の柚子（ゆず）園　後口農園





















後口農園は和歌山県古座川町の山深い山間地の頂上にあります。

古座川町の地元の方は天空のゆず園と呼んでいます。

後口さんの柚子（ゆず）は実生（みしょう）の柚子です。

実生とは種子から発芽した植物を言います。

柑橘一般は接ぎ木（つぎき）で増殖されます。

接ぎ木とは栽培したい品種の穂木（えだ）を台木に接いで生殖させる技術です。

実生の樹木の栽培はデリケートで大変、難しいです。

柚子の場合、実生の柚子は接ぎ木の柚子より大変香りが強くて、実生のゆず果汁のボトルのふたを明けますと、部屋中柚子の良い香りが漂います。

後口農園は先代の後口正夫さんが始められました。

後口農園がある地域は、後口正夫さん以外に２０数軒の農家さんが入植していましたが、果樹栽培に厳しい山間地にあった為、後口さんを除いて全ての方々が廃業されて、この地を去って行きました。

後口さんは、大変なご苦労をされながら、めげずに実生の柚子の良さを信じて栽培を続けて来られました。

今は息子さんの後口実さんが、お父さんの遺志を継いで、実生の柚子を栽培されています。

後口さんの実生の柚子はその香りの良さで、プロの料理人の間で知られた銘品となっています。